前回は管理人が感じた自治体IT営業、それも地方でそれをやることのメリットを書いていきました。今回は、地方×自治体×IT×営業の4つの視点から将来的にどのようなキャリア戦略が描けるかを書いていきます。
地方で自治体営業が出来れば、都会でも出来る
管理人は地方の地場IT企業で自治体営業をやってきました。その会社は中小企業であるからこそ、一人でなんでもやらないといけない環境であり、大変ではあったものの、そういった環境だったからこそ管理人の自治体営業としてのスキルを最大限に伸ばしてくれました。
この自治体営業のスキルが付けば、基本的にどの地域に行っても自治体営業としてやっていくことができます。なぜなら、自治体は規模が大きかろうが小さかろうが、基本的にやっている業務はほとんど変わらないからです。もちろん自治体によって多少のやり方の違いはあります。しかし、その本質はどこに行っても変わりません。
ですので、地方で身に着けた自治体営業のスキルは他県や都会に行っても通用します。地方の中小企業で自治体営業のスキルを身に着け、その後に大手SIerや回線事業者、IT機器メーカーなどへの転職も可能でしょう。私の周りにもそういった事例は複数観測出来ます。地方で得たノウハウを糧にステップアップは可能ですし、転職先でも現場レベルのノウハウを持った貴重な戦力として十分活躍できるでしょう。
意外と大手企業だと現場レベルで細かい実務や自治体職員と直接交渉したり、全体感を持って業務をやったことのある人間は少ないため、地方で得た知識・経験は大手企業でも遺憾なく発揮できるのです。
地方は出世しやすい
もちろん転職だけがすべてではありません。地方のIT企業に転職し、そこで出世を目指すということも十分可能です。
私は転職当初、中途入社組は出世に不利なんではないかと思っていました。やはりプロパー入社組の方が出世に有利なのではと。
しかし、私が入った会社はそうではなく、むしろ中途入社組の方が管理職に多かったです。プロパー入社の人はどちらかというとのんびりと育っていてビジネス戦闘力が低かった印象でした。逆に中途入社の人は、前職である程度活躍してから外に活躍の場を求めて入社してきたため、そもそもビジネス戦闘力が高い人が多かった印象でした。この辺はたまたま私が入った会社がそうだっただけかもしれませんが。ただ、地方の中小企業は出世競争の倍率が低いのは間違いないと思います。出世意識の低い人が多いプロパー入社組より勇気をもって転職してきた人の方がビジネス戦闘力におけるスタートラインがそもそも違う気がしています。
また、一方で地元出身者じゃないと出世できないんじゃないか、ということも不安材料ではありました。私は東京出身でしたので、県外出身者がその会社で幹部になれるのかなと。しかし、それも杞憂でした。私の入った会社では、そういった出身地で色眼鏡で見られるということもありませんでしたし、実際に私も割と早い段階で管理職に登用して頂くことができました。
この辺は嫁ターン移住者としては気になる要素でしたが、やはり出身地がどこかよりちゃんと仕事ができるかどうかの方がはるかに重要なんですね。当たり前といえば当たり前なのですが、地方へ移住する前に漠然とした地方の閉鎖的なイメージがあったので、良い意味でイメージを覆されました。
外資IT・リモート勤務への道
さて、地方IT企業で自治体営業として一通りのスキル・ノウハウを身に着けたあと、その会社で出世を目指したり、大手SIerやメーカーなどの地方拠点に転職する、というキャリア選択もありますが、私のお勧めは外資IT転職です。まぁ、単に私が自分の経験でモノを言っているだけと言えばだけなのですが。
その理由は外資ITへ転職すると、年収がとたんに大幅アップします。もともとIT企業の給与相場は他の業界と比べても悪い方ではないと思います。一般に地方の給与相場は都会と比べると低いですが、IT業界の給与相場が高いのは地方でも同じで、実際に私も地方の給与相場としてはかなり良い給料を頂いていたと思います。恐らく都会の会社に勤めているのとほとんど変わらない給与だったと思いますし、その点では前職には大変感謝しています。
ともともと給与相場が高い日本のIT企業ですが、それでも、外資ITへ転職するとその給与がいきなり1.5倍~2倍になります。もちろん外資ITへ勤めることは、日本企業のように安定的な雇用が確保されているわけではありませんので、その点は考慮に入れる必要があります。それに給与の3割~5割程度が自分の成績に応じたインセンティブ給のため、自分の成績が悪いと思ったほど給与が伸びません(会社によってインセンティブ給の割合は違います)。しかし、それらを割り引いてもあまりある魅力が存在するのが外資ITです。
しかも、外資ITはフルリモートOKなところも多く、地方在住のまま外資ITに転職することが出来れば、それこそ最強です。なぜなら生活コストが都会と比べて大幅に低いのに、給与は都会の大手日系企業より高いのです。いきなり生活がイージーモードになります。
この点は大きな魅力といえます。
もちろん、今の時代はベンチャー企業を中心に、日系企業でもフルリモートOKの会社も増えているので、外資ITではなくそういった会社への転職もキャリアの選択肢となります。
そして、その際に地方で培った「自治体営業」というキャリアが強みになるのです。
長くなってきましたので、いったんこの辺で切りたいと思います。次回はなぜ外資ITやベンチャーで「自治体営業」が強みとして活かせるのか、という点をもう少し深堀っていきたいと思います。