管理人は、地方で約9年間自治体IT営業をして、その後外資ITへ転職しました。当初、自分が外資ITで通用するのかと不安もありましたが、実際に入ってみると思っていた不安は杞憂に終わり、しっかりと自分の経験を活かした仕事が出来ていると感じています。そんな管理人が感じている、自治体IT営業を経験した地方民が外資ITで活躍できる理由について考察していきたいと思います。
外資ITにおけるパブリックセクターの位置づけ
そもそも外資ITの場合、本社が海外にあって日本法人はその営業拠点にすぎません。ですので、基本的には外資ITの日本法人は営業会社となります。海外から日本のマーケットを見たとき、GDPで世界第3位の国ですから、ワールドワイドの中でもそれなりのマーケットサイズがあります。中でもトヨタを筆頭に製造業のセクターは、マーケットサイズとして非常に存在感があると思います。
そんな中でパブリックセクターは製造業ほどではないにしろ、一定規模のマーケットサイズがあり、かつ毎年安定的に需要があるマーケットとして、主な外資ITであれば、ちゃんと専門部署を設置し、重要視するセクターと思います。
パブリックセクターは○○省や○○庁といった中央省庁のマーケットのほかに、全国に1741団体ある地方自治体(ローカルガバメント)のマーケットがあります。地方で自治体IT営業をやっていた人間が外資ITへの転職を目指すとすれば、この地方自治体向けの担当営業職となるでしょう。
日本に参入間もない外資ITであれば、まだまだ人数が少なく専任の地方自治体担当者を置くほどの余裕はないと思いますが、それなりに日本で活動実績のある外資ITであれば、専門部署がありますから、ポジションとしては必ず存在すると思います。
そこでうまく求人のタイミングが合えば、地方民であっても応募のチャンスは必ずあるでしょう。
社内でのポジショニング
そんな中、地方であろうと自治体向けにITシステムやIT機器を販売してきた経験がある人、特に直接フロントで自治体職員とやり取りしたり、入札に参加するなど第一線で活躍していた営業マンは外資ITでも十分活躍できると思います。
以前の記事でも書きましたが、この自治体界隈は特殊な領域ですので、そもそも自治体営業未経験者がいきなりそのポジションで外資ITに入るのは難しいでしょう。転職時のジョブディスクリプションで、そもそも自治体営業の経験があることが要件になっていることが多いと思います。逆に地方民であっても自治体営業経験が長い人間は応募のハードルはクリアしていると思います。
また、面接を突破するだけでなく、実際に入社した後でもしっかりと活躍できると思います。外資ITの場合、外資IT界隈で転職を繰り返す人が多いですし、日系企業からの転職組もハード系、ソフト系、回線系などいわゆるJTCと言われる大手からの転職組が多い印象です。
そんな中、地方のIT企業出身者は少数派と思います。そもそも地方にいながら都会の外資ITに入る道が今まではなかったはずです。それがコロナをきっかけにリモートワークが可能となり、ここ数年で道が開かれたと言っていいでしょう。
ようやく扉が開いたとはいえ、地方で都会の会社に在宅勤務している人はまだまだ少数派だと思います。ですので、外資ITの社内でも、地方の現場事情に詳しいというポジショニングを取ることが可能です。これは都会の大手企業出身者には真似できないことですから、地方民だからといって気後れせず、自信を持って外資ITへの転職も検討してほしいと思っています。
国内ベンチャーの道もあり
もちろん、外資ITに限らず、国内ITベンチャーを中心にフルリモート勤務OKの会社は増えていますので、そういった会社でも良いでしょう。外資ITのようにパブリックセクターに参入しようとしているITベンチャーは多いと思います。特にSaaS系は外資ITにはない、日本人向けのUIやUXを売りに地方自治体向けのビジネスを拡大しようとしている会社もあるはずです。私も外資ITへの転職の時に、そういったITベンチャー企業への応募も検討しましたし、実際にそういった求人はたくさんありました。
そういったITベンチャーの場合、勢いがありつつも、組織力がまだない段階のため、自治体営業のノウハウがある人材を積極的に求めていると思います。外資ITは少し不安だという方には、マッチするかもしれません。
外資ITにせよ、国内ITベンチャーにせよ、地方民が都会の会社にリモートワーク前提で転職することが可能な時代になっています。
特に自治体IT営業経験者はその希少性から、転職マーケットで引く手あまたと思います。そういった道もあるのだ、ということを今回の記事を通して認知してもらえると(そして、キャリアを心配せずに地方に嫁ターン移住してもらえると)嬉しいです。